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P・Fドラッガー著
アマゾン、及び最近の経済評論家の批評を見て読んでみました。
前編にわたり、過去の歴史のでき事と2002年におきている
金融政策、ITビジネスを重ね合わせて、解釈を行っているという
記述でした。
印象的だったのは、IT社会のゆくえを予測するところで知識労働者(開発者、SE)は金で
動かないと記述されている箇所です。
部分掲載します。
「IT革命とは、実際には知識革命である。諸々のプロセスのルーティン化を可能にしたのも
機械ではなかった。コンピュータは道具であり、口火にすぎない。ソフトとは仕事の"再編"
である。知識の適用、特に体系的分析による仕事の再編である。鍵は"エレクトロニクスではない"
認識科学である。要するに、まさに出現しようとしている新しい経済と技術において、リーダシップ
をとり続けていく上で鍵となるものは、知識のプロとしての知識労働者の社会的地位であり、社会的
認知である。もし、彼らを昔の社員の地位におき、その待遇を変えなければ、製造テクノロジストを職工
として扱ったイギリスの二の舞になる。
今日われわれは、資金こそ主たる資源であり、その提供者こそが、主人であるとの昔からの考え
に固執し、知識労働者に対して、ボーナス、Stockoption等で社員の地位を満足させようとしている。そのような事は、一時のネット産業のように株価が高騰している間しか通用しない。だがこれから
登場する新産業は、かつての産業と同様、ゆっくりと苦労しつつ汗水流して進む。
....
そもそもそれらの新産業が頼りにすべき知識労働者を、金で懐柔する事は不可能である。もちろん
それらの新産業に働く知識労働者も、実りがあれば分け前を求めるだろう。だが、実りには時間
を要する。
今日のような短期的な株主利益を目的とし、目標とする経営では、10年もたない。
それら知識を基盤とする新産業の成否は、どこまで知識階級者を惹きつけ、留まらせ、やる気
を起こさせるかにかかっている。
金銭欲に訴えてやる気をおこさせる事が不可能であれば、価値観を満足させ、社会的な地位を与え、社会的な力を与える事により、活躍してもらわなければならない。その為には彼らを部下でなく同僚の経営者として単なる高給とりでなくパートナーとして偶さなければならない
ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
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